この記事はフィクションですが、本当にありそうな内容を書いています。
こんにちは、わっちょです。
今回は、HOTを使用しながら在宅で療養するCOPDの利用者様の事例を考えました。
病院でも頑固な患者様は多いですが、在宅であればさらに頑固さが増します。
なぜなら、自分の家だからですね。
自分の空間に他人が入り意見されることを拒む方がおられます。
そのような関わりを、この「しげるさん」の事例を通して学んでいきましょう。
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訪問に至るまでの経過
喫煙歴や一日の喫煙本数がかなり多く、数年前にCOPDを発症しました。
内服や吸入薬にて治療されていましたが、喫煙は辞めず本数も減らなかったようです。
一ヶ月ほど前に呼吸状態の増悪によって入院し、内服調整と酸素療法が開始となりました。
退院後からは在宅酸素(HOT)が1Lで開始となっています。
SPO2は92%以上をキープ。流量はMAX3Lまで
ケアマネージャーより、体調管理と酸素管理、緊急時の対応を含めて訪問依頼があり、。
基本情報
家族構成
妻と同居。
そう遠くはないところに息子と娘がいるが、たまに帰ってくる程度。
妻はしげるさんに意見をすることは少ない。
使用中の介護保険サービス
- 訪問看護 週一回
- ヘルパー 週一回
介護度
要介護1。
性格
頑固で他者からの意見はあまり聞き入れない。
気に入らないとすぐに怒ることがある。
実際の関わり
本人との関わり
こんにちは!わっちょと申します。
よろしくお願いします。
はいはいどうも。
今日から訪問看護が来ることになりました。
体調確認と酸素の機械の事で確認させて頂きますね。
体調はなんともない。
機械も使えてる。
そうですか。
それは良かったです。
あんた看護師か?
そうです。
別に来てもらわなくてもいいんだけどな。
病院で散々練習もさせられてきたし、困ってることもない。
ご自身で管理できるようになられたのですね。すごいです。
訪問に来た理由としては、自宅でも体調管理や酸素管理ができるようにということと、前回の入院のときみたいに、体調悪化したときの病院に行く判断が必要ということみたいです。
入院中に家族さんやケアマネージャーさんと病院関係者が話し合って決まったと聞いています。
何か聞いてませんか?
聞いたような気がするけど、覚えてないな。
まあそうか、それならいいけど。
いらなくなったら断ってもいいよね?
一応家族さんの依頼もあったので、そのような場合は一度話し合う必要があります。
※ケアマネージャーの計画のもとに訪問しているため、計画変更などの可能性がある場合は、ケアマネージャーと連携し話し合う必要があります。
わかった。それで、何してくれるの?
まずは体温や血圧を測らせて頂きます。
体温 36.8
血圧 156/78
脈拍 84
呼吸数 18
SPO2 96%(HOT1L下)
肺音 左右左なし、クリア
排泄 尿・便ともに定期的にあり
安定していますね。
息苦しくなることはありますか?
特にないね。
家の中を動いたり、トイレの時はどうですか?
大丈夫。
よかったです。
お風呂は入れてますか?
入れてるな。
酸素チューブをつけながらだと難しいところもありますよね。
とってるよ。邪魔だから。
え、、。そうですか。
お風呂の時は体力も使いますし、息苦しくなりやすいので付けておく方が良いですよ。
息苦しくないからいいんだよ。
上がったら付けてるから。
そうですか。
では、もし入浴中に息苦しいと感じることがあれば、付けるようにしてくださいね。
はいはい。
(ゴソゴソとタバコを出し始める。)
おっと、タバコか
(ライターで火をつけようとする。)
ちょっと待ってください。
酸素吸入をしながらタバコを吸うと危険ですよ。
説明はされませんでしたか。
されたけど、めんどくさいからね。
何回か吸ったけど、何もならなかったよ。
たまたま大丈夫だっただけで、もし酸素が出ているところに火元が当たったりしたら火事の危険がありますよ。
大丈夫だったって言ってるだろ。
しつこいな。
せめて酸素の電源を切ったり、チューブを外して離れて吸ってもらう方が良いですよ。
はいはい。
妻への関わり
様子見させて頂きました。
ありがとうございました。
体調は問題ないのですが、酸素を吸いながらのタバコは危険なので、それが気になりました💧
そうですよね。
私も注意していますが、聞く耳を持ちません。
あまり言い過ぎると怒るので。
そうですか。また僕からも何度か伝えてみます。
お願いします。
では今日はこれで失礼させて頂きます。
アセスメント
体調は安定しているようです。
ですが、HOTの管理に関しては、危険の無いように指導していく必要があります。
頑固な性格であるため、看護師側の意見を伝えすぎると逆効果である可能性が高いです。
妻に対しても強く当たっているようで、妻からの指導も難しい状況のようですね。
これからの計画
難しい事例ですが、まずは本人との信頼関係を築いていくことが先決です。
危険な行動に関しては、息子さんや娘さんへもアプローチし、本人への注意喚起を行ってもらうことで改善できるところもあるかもしれません。
それでも難しいようなら、主治医やケアマネージャーなども交えて、本人が納得できるように関わっていくことが望ましいでしょう。
今回の振り返り
このように、頑固で指導の入らない利用者さんは、在宅ではかなり多いです。
もちろん自宅ですので、タバコを吸うのも酸素吸入なしでお風呂に入るのも自由です。
しかし、自宅での行動が危険となる可能性がある場合は、その危険を回避できるような関わりをしなければなりません。
いきなり介入となった看護師が、すぐに生活行動を変容することは難しいです。
まずは信頼関係を築きつつ、家族や他職種とも連携して安全に過ごすことができるような関わりをしていく必要があります。
頑固な性格の方に、いきなり何度も自分の考えを押し付けるのは、逆効果となることが多いので気を付けましょう。
また、喫煙されている方にとって、自宅でのタバコは生活の一部であり、生きがいにすらなっている可能性があります。
そこの部分も尊重することも必要ですね。
今回はHOTを使用する頑固な男性のものがたりを書いていきました。
引き続き訪問看護ものがたりは更新していきます。
今まで書いてきた人たちの物語の続きも考えていきますね。
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