こんにちは!わっちょです!
今回は経験年数が浅くても、早くから訪問看護師になるメリットとデメリットについて紹介します。
近年は訪問看護の需要が高まってきていますし、看護教育でも在宅看護の重要性が高まってきています。
それに伴って、学生のうちから訪問看護師になりたいと志す人も多くなってきています。
ですが、まずは病院に就職する看護師が多いと思います。
何年か病棟で働いて、自分の看護に自信がついてから訪問看護に転職を考える人もいるでしょう。
しかし、忙しい勤務の中、患者さんとじっくり向き合えない状況で、早く訪問看護に転職したいと考える方も増えてきています。
そんな中、このような思いを持つ人が多いのではないでしょうか。
「訪問看護師になりたいけど、臨床経験が豊富じゃないと難しいらしい、、、」
「経験年数が1年くらいでも訪問看護師になっている人がいるけど、実際はどんな感じなんだろう」
「こんな自分でも訪問看護師になれるのか知りたい」
僕は看護師2年目を迎えた時に、訪問看護ステーションに転職しました。
理由は、
- 大量の残業に忙しい日々で患者さんとじっくり向き合う余裕がなかったから。
- 給料以外にモチベーションを保てる要素が無くなったから。
- 一人一人に合った看護をしっかりと考えたいと思ったから。
そこでこの記事では、臨床経験が浅い中で訪問看護師になりたいと考えている方へ、実際のメリットとデメリットを解説します。
この記事を読めば、臨床経験が浅くても訪問看護師として働くことで得られるメリットや、立ちはだかるデメリットについて知ることができます。
僕が看護師2年目から訪問看護師として働いてきた経験を元に書きました。
臨床経験が浅くても訪問看護師として働きたいと考えている人は、最後まで読んでみてください。
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早くから訪問看護師になるメリット
まずはメリット7つです。
- 在宅看護に順応しやすい。
- アセスメントや判断力が身に付く。
- 視野を広く持てる。
- 在宅を支える職種を知ることができる。
- 社会人としての最低限のマナーが身に付く。
- 利用者さんや家族さんに好かれやすい。
- コミュニケーション力が上がる。
順に解説していきます。
在宅看護に順応しやすい
在宅看護の考え方は、病棟とは異なります。
病棟では当たり前のように行っていた看護技術や知識も、在宅では通用しないようなことが多くあります。
そのため、経験年数が浅い方が、特徴的である在宅看護に順応するのは早いです。
理由を述べます。
例えば、糖尿病を持つ利用者さんの場合でみていきましょう。
病院であれば、血糖コントロールが上手くいっていない場合、
- 1日1回のインスリン(固定打ち)
- 毎食前に血糖測定を行い、血糖値○mg/dl以上で○単位施注する(スケール打ち)
というような指示が出ます。
忘れるということは絶対にあり得ないことであり、もし忘れて打たなかったらインシデント案件ですよね。
なので病院の場合だと、そこまで高い血糖値にはなりませんし、300mg/dlとか400mg/dlという数字をみると、「高い!」と驚きます。
それに比べて在宅の場合は、むしろ毎日インスリンを打てる人の方が少ないのです。
高齢世帯や、独居の場合だと特にそうですね。
そのため、
- 最低でも週3回のトレシーバ○単位施注
- 血糖値が120mg/dl以下でインスリンスキップ。
- 70mg/dl以下でブドウ糖5g摂取
のような曖昧な指示となることが多いです。
在宅看護に慣れていけば、こういった指示の方が適しているとわかってきます。
ですが病棟経験が長いと、このような曖昧な指示では不安になり、もっと具体的な指示を欲してしまいがちです。
経験年数が浅い方が、特徴的である在宅看護に順応するのは早いです。
アセスメントや判断力が身に付く。
在宅では、病院のように迅速かつ頻回に検査や医療機器を使用できる訳ではありません。
病院で当たり前のようにやっていた、検査データやレントゲン、CT、MRIなどの確認もできません。
目の前にいる利用者さんの身体が、どうなっているかがはっきりとわからないのです。
そのため、バイタルサインを含め、全身状態や周りの環境などから、利用者さんがどのような状態であるのかをアセスメントする必要があるのです。
一番大事なのは、しっかりと利用者さんのことを五感+何かがおかしいと感じる第六感で、異変に気付くことです。
今まですぐにモニターや採血、レントゲンを行っていたのが、在宅では一切できないとなると、自然とアセスメント力が身についていきます。
そして、異常に気づいた後の判断力も養われます。
病院では、何かあればすぐに誰かに相談できる状況です。
しかし訪問看護では一人での訪問です。
その場で、かかりつけ医に相談するのか、様子をみるのか、救急搬送するのかを判断しなければならない時があります。
もちろん、上司や担当看護師に相談することもできますが、実際に動くのは自分です。
仕事をしていくうちに、在宅看護での判断力も培われていきます。
視野を広く持てる。
アセスメントや判断力が身に付くのところと重なる部分もあります。
在宅では病院とは違い、それぞれの地域や自宅周辺環境、生活環境、家族構成、他のサービスなどなど、様々な状況からアセスメントする必要があります。
病院という決められた環境ではなく、訪問先によって全てが異なるので、広い視野を持つ必要があります。
例を2つ挙げますね。
経験の浅いうちから視野を広く持つようにしておくと、もし病棟看護師に戻りたいと思った時や、病院以外で働きたいと思った時にも役に立ちます。
在宅を支える職種を知ることができる。
在宅では病院以上に多くの他職種が連携し合い、利用者さんやその家族を支えています。
- 医師や病院関係者、薬剤師、理学療法士などの医療関係者
- ケアマネージャーやヘルパー、福祉用具、デイサービススタッフなどの介護関係者
具体的にはもっとたくさん関わる職種の方達がいます。
在宅生活を支えている職種には、どのような方がいるのかをわかっていると、看護師として的確な提案ができるようになります。
また、将来的にも病院や施設などで働きたいと考えた時にも役に立ちますね。
社会人としての最低限のマナーが身に付く。
病院では、基本的な社会人としてのマナーを使う場面があまり無いです。
例えば、
- 名刺交換
- 患者さんの家族・かかりつけ医・院外の他職種との電話連絡
などです。
訪問看護では、利用者さんの自宅へ訪問する時にも、気を付けるべきマナーがあります。
- 自宅に入るまでに、玄関でくつを並べる。
- 挨拶をする。
- 利用者さんやその家族、他職種への名刺交換。
などです。
当たり前なのですが、病院勤務に慣れていると、意外と抜けてしまうことがあります。
主治医への電話連絡では、
- 電話してはいけない時間帯がある。
- 直接挨拶をしに行くことがある。
- 訪問に関しての書類を依頼するときの依頼文を作成する。
といった様々な場面でマナーに気を付ける必要があります。
病院だと、ほとんどが院内で解決してしまうため、マナーに気を付けなくても仕事していけます。
そのため、逆に訪問看護側から総合病院の病棟に連絡すると、相手が自身の名前を名乗らなかったり、言葉使いが悪かったりと、失礼と感じる対応をされることがあります。
病院という閉鎖された場所で勤務するよりも、訪問看護は地域全体で活動しているため、自然とマナーが身についていきます。
利用者さんや家族さんに好かれやすい。
経験が浅い、特に20代や30代の看護師であれば、利用者さんからかなり好かれやすいです。
なぜかというと、利用者さんの孫世代であることが多いためです。
僕も今でも、「◯◯ちゃん!◯◯ちゃん!」と呼ばれることがあります。
在宅では、対象の方との信頼関係を上手く築けるかどうかが、良いケアに繋がる最初のポイントです。
経験が浅く年齢が若いだけで、このようなメリットにもなります。
コミュニケーション力があがる。
訪問看護では、コミュニケーション能力がめちゃくちゃ向上します。
なぜかというと、これまでの6つのメリットを振り返ってもらえば気づくかもしれません。
在宅ではあらゆる場面であらゆる内容についてコミュニケーションとる必要があります。
また通常の訪問でも、30〜90分は自宅に滞在している必要があり、その時間は、利用者さんやその家族さんと話す場面がかなり多いです。
そのため、自ずとコミュニケーション能力が上がっていくのです。
かといって、コミュニケーションが苦手だから訪問看護ができないというわけではありません。
早く訪問看護師になるデメリット
次に、デメリット5つを紹介します。
- 医療的な看護技術が身につきにくい。
- ベテラン看護師が多く、孤独に感じることがある。
- オンコールがストレス。
- 事業所によっては成長しづらい環境になる。
- マンネリ化してしまう。
が挙げられます。
デメリットも順に見ていきますね。
医療的な看護技術が身につきにくい。
これに関しては、経験が浅い訪問看護師が早期リタイヤしやすい一番の原因だと言われています。
メリットの部分でもお伝えしましたが、在宅は医療機器がなく、また医療的な処置も少ないです。
一般的な医療技術である、点滴や採血もほとんど行うことはありません。
そのため病棟経験が浅い場合、医療的な看護技術が身に付きにくいのです。
医療的な看護技術が身につきにくいことは、病棟で働いている同期に比べて、自分が劣っていると認識してしまうことにも繋がります。
大規模な訪問看護ステーションを選びましょう。
大規模な訪問看護ステーションであれば、看護師の数が多くフォロー体制が整っているからです。
訪問看護で必要な医療技術は、自立するまで指導してくれます。
病院に併設、または病院と連携が強いステーションを選ぼう。
病院で医療技術の研修をしてくれたり、指導をしてくれる場合があります。
ベテラン看護師が多く、孤独に感じることがある。
実際に僕が感じたことです。
訪問看護師は、ある程度病棟を経験して、子育てをしていたり、夜勤が負担に感じるようになっているような中堅〜ベテランナースが多いです。
そのため同世代の看護師がいない場合があります。
学校や前職の同期たちが、仲間うちで仕事や飲み会をしている中、自分はベテランに囲まれて馴染みづらい状況になる可能性があります。
訪問看護師は、どこもみな優しい方ばかりですが、やはり世代間ギャップは生まれてしまいます。
自分と同年代の看護師がいる訪問看護ステーションに就職する。
今は経験年数が4,5年でも訪問看護ステーションを開設している人が出てきています。
そのようなステーションは、同年代が集まりやすいです。
SNSで探したり、転職サイトのエージェントに聞いてみると良いです。
病院に併設していたり、病院の部署扱いになっているステーションに就職する。
一つ目のデメリットの対策と被ってしまいますが、病院と連携の強いステーションに就職することです。
病院で同年代と合わせた研修が行われたりするため、顔見知りを作ることができます。
通常業務でも、病院とステーション間の連携が多いので、何度か関わると仲良くなったりもします。
オンコールがストレス
オンコールも訪問看護師が負担と感じる大きな原因の一つです。
誰からどのような内容でいつ連絡が来るかわからない状況は、ベテランナースでも落ち着かずストレスになっています。
また、在宅の場合は、主治医が病院か、かかりつけ医で対応が変わったり、かかりつけ医の中でもそれぞれ対応の仕方が違います。
一人一人の対応がそれぞれ全く違うので、電話がかかってくるとかなり慌ててしまいます。
特に、自分の担当ではなく、あまり訪問に行っていない利用者さんだと、頭が真っ白になることがあります。
オンコールのない訪問看護ステーションに就職しよう
絶対にオンコールはしたくない・できないという方は、オンコールがない訪問看護ステーションに就職しましょう。
そうすればオンコールのストレスは生まれません。
看護師の人数が多い大規模ステーションに就職しよう
人数が多いと、オンコール当番の回数が減るため、それだけでストレスが軽減されます。
人数が多いと、オンコール当番の回数が減るため、それだけでストレスが軽減されます。
また、オンコールに慣れるまでは、上司が一緒に訪問してくれたりとサポートもしてもらえます。
事業所によっては成長しづらい環境になる。
地域やステーションにより、高齢化率や難病を持つ利用者さんの割合なども変わってきます。
僕のステーションは病院の附属ステーションであり、病院がガン拠点病院であるため、末期がんの利用者さんを多く訪問しています。
そのため看取りになる方も多いです。
しかし、看取りになる利用者さんを訪問しないステーションもありますし、小規模であれば安定した慢性疾患の利用者さんが多いステーションもあります。
特にオンコールをしていないステーションは、看取りの利用者さんを受け入れていない所があります。
なぜなら、看取り期の利用者さまで、もし在宅での看取りを望んでおられる場合、24時間対応できなかったら緊急時の対応が難しいためです。
オンコールがなかったり、安定した利用者さまがほとんどのステーションの場合は、自身の看護力が向上しにくい場合があります。
看護師の人数が多い大規模ステーションに就職しよう
やはり大規模なステーションを選ぶことが良いです。
なぜなら、看護師数が多いほど利用者さんの数も多いため、様々な症例と関わることができるからです。
そして、様々な症例を経験している上司から、直接指導もしてもらえます。
オンコールのあるステーションに就職しよう。
負担に感じる場合は、オンコールを避けるのも手ですが、少しでも成長したいと考えるなら、オンコールのあるステーションをおすすめします。
オンコールがあれば、緊急時の急な対応や、アセスメント力・判断力が向上します。
そして、訪問看護で重要な関わりとされる、在宅での看取りも多く経験できます。
転職エージェントやナースセンターの担当者からステーションの特徴を聞き出そう。
①や②を踏まえた上で、転職の時に担当者から情報を得ましょう。
具体的な情報は、
- 看護師数
- ステーションの利用者数
- どのような疾患が多いのか
- オンコール対応しているか
- 看取り件数はどのようなものか
このようなことも含めて、機能強化型Iを算定しているステーションが良いでしょう。
※機能強化型に関しては以下を参考にしてください。
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000920430.pdf
マンネリ化してしまう。
訪問看護は病棟に比べて経過が緩やかであり、そこまでバタバタ忙しく業務をすることはあまりありません。
ナースコールもありませんし、訪問に行っている間は利用者さんに集中できます。
そのため、忙しい職場が好きな方には物足りないかもしれません。
利用者さんによっては、数年から数十年単位で経過があまり変わらない方もいます。
そうなると、ケア内容も同じになりがちでつまらないと感じてしまうこともあるでしょう。
病院に併設された訪問看護ステーションを選ぼう。
病院の附属であったり併設されたステーションであれば、人事異動で病院に異動できる可能性もあります。
もし訪問看護にマンネリ化を感じてしまったら、一時的に病院勤務もできることがあります。
なんせ病院は人で不足ですからね。
しかし、在宅での看護をある程度理解しようとすると、2〜3年は必要です。
経験年数が少ない看護師の場合、
- 1年目は安定した利用者さんを担当
- 2年目から難病や看取り、オンコールなどを担当し始め
- 3年目ごろからそれら全てを自立して行えるようになるためです。
なので、1年目の時点でマンネリ化を感じてしまっても、そのあと数年は新しく難しい壁にぶつかることがあります。
真剣に訪問看護を行いたいのであれば、3年ほどは訪問看護を経験することをおすすめします。
そこで最後の対策です。
在宅脳に切り替える。
在宅での利用者さんに、全く同じような関わり方はありません。
そのため、何年経っても新しい症例に立ち向かう必要があり、安定しているように見える時でも、刺激的な経験はあります。
また、何年も担当している利用者さんの状態が変化してきた時は、利用者さんからも頼りにされますし、自分も何かできないかと深く考えることができます。
信頼関係が強固なものになっているからですね。
そこに訪問看護の醍醐味があると思います。
まとめ
ここまで、早くから訪問看護師になるメリット・デメリットを紹介してきました。
それぞれまとめると、
メリットは
- 在宅看護に順応しやすい
- アセスメントや判断力が身に付く
- 視野を広く持てる
- 在宅を支える職種を知ることができる
- 社会人そしての最低限のマナーが身に付く
- 利用者さんや家族に好かれやすい
- コミュニケーション力が上がる
以上の7つが挙げられました。
デメリットは
- 医療的な看護技術が身につきにくい
- ベテラン看護師が多く、孤独に感じることがある
- オンコールがストレス
- 事業所によっては成長しづらい環境になる
- マンネリ化してしまう。
以上の5つが挙げられました。
経験が浅い中で訪問看護師になると、メリットもデメリットもあるということがわかりましたね。
もし、一人一人の利用者さんに対して、ゆっくりかつじっくりと関わって、個別性のあるケアを考えていきたいと考えているのなら、早くから訪問看護師になるメリットは大きいです。
「訪問看護師になりたいけど、経験が浅いから・・・。」
と諦めている方、思い切って訪問看護の世界へ飛び込んでみてください。
経験が浅くても、訪問看護師になるのに早すぎるなんてことはありません。
看護師2年目から訪問看護師になった僕が証人です。
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